プラスチック接着の最終解

車のプラスチック材として大量に使われている、ポリプロピレン(PP樹脂)。

 

このPPが破損するとなかなか修復ができなかった。一般的な接着剤はダメ、ガスケットシールもダメ、グルーガンはすぐ剥がれる、溶かしてくっつけるアセトンはPP対象外、PP専用の接着剤もあるようだが高額で試してはいない。。。なんとか安価でできる方法はないか・・・ふるーるとして今、最高解になっているのは、「熱調整できるハンダごてを使いPP溶接棒を溶かしてくっつける」いうもの。PPの融点は160℃である。

 

↓ 温度調整ができるダイヤルあり。110V仕様なのだが100Vでも使用できる。ただし、電圧違いからかダイヤル温度は高めにしてある(260℃付近がやりやすかったが、融点160℃に近いほどプラスチック変性を抑えられる)

↓ PP溶接棒

ドロドロにしたPP棒で接着面をひっかきまわして接着していく。接着力を付けるために大切なのが、接着面をキチンと溶かして、溶けたPP棒と一緒にかき回し一体化させること。単に溶かしたPP棒を表面に載せる感じだとNG、本体側も惜しまず溶かせ。どうあがいても元の状態には戻らないので、PPを厚めにもって接着力を補うほかない。

 

↓ ライトASSYの外れたボルトが復活。ボコボコして見た目は良くない。見た目にこだわるなら、表面はハンダごてで均せばきれいに仕上がる。どうせここは車体下に隠れるので整形は不要と判断。

プジョー207はどうも、ライトASSYのプラ強度が弱い・・・下の写真もライトASSYで折れた部分。

盛りまくっている(笑)

 

インマニのMAPセンサーが付くところのネジ穴が馬鹿になってしまい、ブースト圧が上がるとセンサが勢いよくネジごとスポンと外れてボンネットにカツンと当たる。するとここから圧縮空気が漏れまくるのでエンジンチェックランプ点灯し異常モードになる。仕方なく、針金を巻いて固定してダサい対応していたものの・・・

ネジ穴をPP材で溶かして埋め、ネジを締めなおすことで無事にネジ穴が復活!!! 針金固定とはオサラバさ。

 

とはいえ、PP溶接も完璧ではない。どうしても作業性からハンダごて温度を高めにしてしまいがち。すると、プラスチック変性して接着部が固くなってしまう(弾力性がなくなってしまう)。そのため接着境界は弱くなるので、PPの肉盛りして強度を増すしかない。それでも応力かけすぎるとパキッと割れる。

 

この接着方法も完全に元の状態に戻るわけではないと肝に銘じるべし。

 

↓ PP溶接棒

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