23万キロ超えた207GT。
高圧でないほうの燃料ポンプ、ガソリンタンクから送り出す方のポンプ予備交換日記。これで30万キロ走破が見えた♪
【注意事項】
揮発するガソリンに接する修理のため車両火災リスクがありDIY修理を推奨しない。それでもやるのなら、春or夏の湿気が多い時期に修理すること(雨の日がベスト)、周囲に何もないところで作業すること(火災時に燃え移るから)、服装は綿とし静電気を帯びないよう配慮、初期の消火用に水に浸したタオルを数枚準備しておくこと、火気厳禁とし煙草などゼッタイに吸わないこと。
【事前準備】
下図のフィラーキャプレンチのような工具がゼッタイ必要、冗談ではなく(笑) 人の力で回せない程に固く、燃料キャップ、輪っかが締まっているからだ。
↓ この溝に、輪っか、キャップの山をひっかけて回す仕組み。
自分がAmazonで購入したこの燃料ポンプレンチは2000円。不良品で片側ネジが馬鹿になってユルユルなのでハンダで埋めて固定している。もう片側で長さ調整している。
プジョー207GT、6MTの場合、ガソリンタンク直結の燃料ポンプ純正品番は以下であればよい。
1525GZ
1525PZ
96570360
96849347
9684934780
9657036080
1607401580
純正は手に入らないので、パーツのパルカにて互換品であるPIERBURGの 7.02700.72.0 を購入、約32000円。
↑ 交換日、交換時のオド値をメモ。自分が次に交換することは無いと思うが。
MINIとはエンジンが同じでも燃料ポンプは型が違う。MINIは余ったガソリンを戻すリターンパイプがあり207の配管とは互換性が無い。MINI用ポンプを買わないこと。
燃料ポンプ用のガスケット、1300円。
これもパルカで手に入る。
自分は 9633283880、ポンプ固定する輪っか(フィラーキャップ)を購入。ヤフオクか、最悪aliexpressでも互換品が1000円ちょいで手に入る。
というのも、この"輪っか"、プジョーはあまりに固くて外れない(年式や使用状況にも依るのかもだが)。輪っかを破壊しての対応だったので替えが必要になった。
ガソリンの残量警告灯が点くほどにガソリンを減らしておく。
万一、車両火災になったときに少しでも被害を減らすため。
あとは、スマホのダイアグツール(トルクプロ等)を使える状況にしておこう。ガソリン圧を抜くときにエラー記憶する場合があり、そのエラーを消すために必要だから。
【ここから作業】
後部座席の~に指をひっかけ上に持ち上げるだけでガコッとシートが外れる。
作業に邪魔なので、鉄クリップからシートを取り払って車外にでも置いておこう。
座面下にはプラスチックのフタがあり、三か所のクリップで固定されている(プラに矢印が3か所印字されている)。幅1cm程度の内装剥がしを矢印方向にゆっくり差し込み、当たったなと感じたらさらに数ミリ押しこむ。
すると、内部で爪が押しこまれてロックが外れ、フタが浮く。
交換前の写真を撮っておくこと(元に戻すとき、どこまで輪っかを締めればよいか把握するため)。上記写真の矢印位置の輪っかに矢印マークがあり、締める位置の目安になっている。
燃料ポンプのコネクタは、ツメが掛かりそのまま抜けない。細いマイナスドライバーを突っ込み下図のように少し右に倒すと、ツメが上がってコネクタを抜くことができる。
コネクタ外した状態でエンジンをかける。燃料パイプ内のガソリン圧を抜くためだ。数秒するとガタガタ振動しながらエンストする。さらに、三回ほどエンジンかけておく。ピーっと燃料ポンプ系のエラーが出たが、後で消すので無視してOK。
バッテリーのマイナス端子を外す。車内の電装品が不用意に動くなどして発火元にならないためだ。
燃料パイプはプラスチックの白いツメで固定されており、下図のツメを壊すと一発アウトなので慎重に外そう。灰色コネクタを少し左右に回して、ツメ下方でひっかける場所を見つけること。爪楊枝などでツメ先端をひっかけてゆっくり、飛んでかないように抜こう。ツメは挿す向きがあるので、外したときにしっかり覚えておく(灰色コネクタのスリットがあるほうに、ツメの出っ張り部分が噛む構造)。
圧を抜いてても、パイプを外すと少量のガソリンが漏れ出すので、小さいビニル袋にティッシュを詰めてパイプをしまいこみゴムで縛っておく。
燃料ポンプを固定している黒い輪っかが曲者!!! キャップレンチを使っても外れず、あまりに固く締まっていて強引に回すと輪っかの山(突起)が壊れていく。シリコーンオイルを大量に吹いても緩まずダメ。木の棒やマイナスドライバーを山に当ててゴンゴンと強打しても外れず、輪っかの山だけが壊れて外す術がなくなるorz
仕方ないので、鋭利なノミ、ニッパー、ペンチ、マイナスドライバーを組み合わせながら輪っかを破壊することにした。破壊する際は、車体側のネジ山をつぶさないよう慎重に、ゆっくり、焦らずされたし。輪っかに切り込みを入れたら、てこの原理でマイナスドライバー主体でこじって徐々に壊していこう。焦りは禁物!
↓ 輪っか 壊して外れた状態。
燃料ポンプ本体を持ち上げて出すが、ポンプ内にガソリンが溜まっているので車内にこぼさないようある程度タンクにガソリンを落としつつ、ゆっくり引き上げる。それでもポンプ内のガソリンは完全に抜けないので、ポンプは車外に持ち出してガソリン排出しておこう。
ガスケットを新しいものへと交換して・・・
新ポンプ取り付け。フロートを先に沈めてからポンプ本体をタンクに落としていく。取り付けの向きはパイプ側がフロントに向く(旧とおなじ)ようにする。
予備で買っておいたポンプ固定輪っか、をするのだが、、、なかなか山がかみ合わずに手がかかるwww
何しろ渋い、渋すぎるのだ。ガソリン漏れさせないために渋い設計なのだろう。輪っかにはシリコンオイルを塗布する。
ハメるコツは、下図の輪っかのネジ山スタート位置を覚えて、
車体の方のネジ山を指でぐるーっと一周させて、車体側の山スタート位置を覚える。覚えた二つの部分が、最初に山がかみ合い締め込みが始まる起点になる。車体と輪っかの覚えた位置を重ねて輪っか全体をグッと均一に体重かけて押しこみながら手の力で時計回転、回せるところまで回す。
以降は締めるのに非常に力が要るため、
キャップレンチで少しづつ時計回りに締めていくのを繰り返す。このとき、ガソリンの配管を巻き込んでしまい壊さないよう注意!!!
↓ 本来はもう15°くらい締めて赤線まで矢印マークを合わせたい。
でも、あまりに固くてこれ以上は締まらない。強引に締めると輪っかの山が壊れだしたので断念。おそらく、このプジョー用の輪っか専用キャップレンチがあるんだろうなあ・・・
これでも燃料ポンプはガッツリ固定されて動かないから良しとする。配線と燃料ホースの接続をして、灰色コネクタの白ツメ固定を忘れずに。
バッテリーを接続してIG-ON。ポンプの作動音がしてホースへと燃圧がかかりだす、スタータ長めに回すとエンジン始動。エンジンチェックランプ点灯や、出たエラーはスマホのダイアグツールで消す。
漏れ確認のため小一時間走行テスト。車内にガソリン臭が漂ってこないか、輪っか周辺、灰色コネクタからガソリン漏れがないか目視確認する。今度はガソリンを満タンにして段差などを超えるなど車を揺らしながらしばらく走行テスト、これでも漏れがなかったのでフタしてシートを戻して作業終了だ。
外した旧ポンプ。形状が複雑でカッコ良し。PIERBURGのポンプはのぺーっとしていていかにもコストダウンしているように見える。
23万キロおつかれさま、とはいえ、まだ動く。
燃料ポンプが突然死すれば不動になるのでレッカー確実。高速道路走行中なら生死にもかかわってくる。15年、15万キロ経過したら予備交換しときたい。
作業時間は3時間程度。207専用輪っか外しの専門工具が無い限り、この記事の通り破壊前提なのかなと思う。あらかじめ新品輪っかを取り寄せておこう。
トータル費用は37000円弱。
・燃料ポンプPIERBURGの互換品、32000円
・ガスケット、1300円
・フィラーキャップレンチ、2000円
・プラの輪っか(Aliexpress)、1200円